フランスの作曲家の目を通したスペイン
ロト&シエクルが描くとこんな響きに。
ピリオド楽器による初録音で、旋風を巻き起こしている鬼才指揮者ロトの本アルバムは4人のフランスの作曲家が描くスペイン。このテーマの代表作がシャブリエの狂詩曲「スペイン」。これが予想外の新鮮さ。繊細で純フランス風。ラヴェルを思わす近代的な音響に驚かされます。マスネ作品がピリオド楽器で登場するのも初めてで大歓迎。当時の楽器、とりわけ木管の音色がマスネの柔らかな色彩にぴったりで、パステルカラーの世界が広がります。さらに驚きなのが、ラヴェルの「道化師の朝の歌」。各楽器の響きがこれ以上ないほど均等なうえ、透明で典雅な音色の美しさと人工美は目から鱗の落ちる思い。切れの良いリズム感、推進力などスペインらしい魅力を味わせてくれます。
1.シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
2.マスネ:バレエ組曲「ル・シッド」
3.ラヴェル:道化師の朝の歌
4.ドビュッシー:イベリア
〜管弦楽のための「映像」より
フランソワ=クサヴィエ・ロト(指揮)
レ・シエクル
録音:2012年8月ラ・シューズ・デュー音楽祭、2013年2月サル・プレイエル、2014年3月ラルシペル(いずれもライヴ)
原盤:ACTES SUD Ⓟ2015
国内発売旧CD:KKC.5605(ASM.17) レコ芸特選