【特集】チャンネル登録者数20万人超!サックスYouTuberとしても頭角を現す実力派サックス・プレイヤー<ユッコ・ミラー>スペシャルインタビュー!!

ユッコ・ミラー

キングレコードがイチオシのアーティストを取り上げて行くシリーズ。その連載第1回目として、この程4枚目のアルバム「Colorful Drops」をリリースしたサックスプレイヤーのユッコ・ミラーさんが登場。ド派手なピンクヘアをトレードマークに強烈な個性を振りまきながら奏でるその音色は繊細かつダイナミック!多くのファンの心を掴み、ジャズシーンで大きな注目を集めているが、これまでのサックス道を“ユッコ節”炸裂で語っていただきました。
(取材・構成:トヨタトモヒサ)

●サックスは私にとって運命の出会いです

――まずはサックスとの出会いからお聞かせください。

ユッコ 高校に入学して友達から「吹奏楽部に入りたい」と言われて一緒に付いて行ったのがきっかけです。私自身はあまり興味なかったんですけど(笑)、そこで試しにサックスを吹かせてもらったところ、何かシビれるような運命的な出会いを感じてしまって。とにかくものすごい衝撃で、「絶対にプロになりたい!」と思い、そこからはサックス人生一筋になりました。音楽自体は3歳の頃からピアノを習っていたのですが、それはお母さんに言われて習わされていた感じで、正直、好きじゃなかったんですけど、サックスはまるで違っていましたね。

 


――吹奏楽部のサックスからジャズを意識するようになったのは?

ユッコ ジャズも最初は特に詳しくなくて、「サックスといえばジャズかな?」と漠然と思っていたくらいだったんですけど、お父さんがジャズのCDをなぜか二枚だけ持っていたんです。そのCDを聴いてみたら、吹奏楽部では感じたことがない大人の音が流れてきて、「これがジャズなんだ!」と、そこでまた衝撃を受けました。それこそ、CD自体は駅の売店で売ってるようなベスト盤だったんですけど(笑)、「Left Alone」とか「Take Five」とか、良い曲がたくさん入っていたんですよね。

――ジャズにハマっていく過程については?

ユッコ 最初はとにかく色々なジャズのCDを聴きまくりました。渡辺貞夫さん、チャーリー・パーカー、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーンとか、めっちゃ聴いて、「あ、カッコいいな!」と思ったフレーズを自分でコピーしてひらすら吹くと。そういうことを繰り返していました。ただ、プロになりたいと思ったところで、住んでいたのが地方なので、「まずはどうしたらプロになれるだろう?」と思って、手始めに地元の伊勢市駅前とかで路上ライブをやり始めたんです。それが高2の頃。人に聴いてもらえる、届けられるという思いが強いと吹き方も変わりますし、それもまた楽しくて。当時から全く怖い者知らずで、「無敵だな」と思ってやっていましたね(笑)。


――デビューに至るまでに、ひとつ大きな出来事を挙げるとしたら、いかがですか?

ユッコ 当時、伊勢から大阪のサックス教室に通っていて、河田健さんに習っていたんです。その河田先生から声をかけていただき、「ミスターケリーズ」って関西ジャズの登竜門的なジャズクラブで一緒にライブをしてもらえることになりました。そこから徐々に道が切り開かれて行ったところがありますね。ライブだと路上と違って、お客さんが椅子に座って見てくれていて、当時はそれだけで感激でした(笑)。


 

●エリック・マリエルサルからの教え

――経歴から数々の幸運が重なって、メジャーデビューした印象がありますが、割ととんとん拍子で進んだ感じでしょうか?

ユッコ いや、そうでもなくて、割と突撃事件が多いです(笑)。ちょうどデビューした年にグレンミラーオーケストラのジャパンツアーにゲスト出演させていただいたのですが、それも遡ると高校生の頃に突撃事件がありまして(笑)。

――というのは?

ユッコ 高3の頃に伊勢市の観光文化会館にグレンミラーオーケストラが来ると知って聴きに行ったんです。そこですごく感動したのですが、「世界のトップがこんな田舎にくるなんて、これはチャンスしかないな!」と思って出待ちしたんです。それでツアーバスが到着して、皆さんが出て来たところで、サックスを吹きまりくました(笑)。そうしたらアメリカの人たちってすごくフレンドリーで、「Yeah!」とか「Wow!」とか喜んでくれたんですよ。その場で踊り出したりして、「他に出来る曲ないの?」「もう1曲!もう1曲!」と促されるままに吹いていたら、「君、明日からのツアーに一緒に参加しない?」と誘われて。その時は学校帰りで制服だったし、「明日学校なので行けません」と断ってしまったのですが、その出来事が数年後に繋がって、2016年、2017年と2年連続でのゲスト出演が実現しました。

▼YUCCO BLOG(ユッコ・ミラーオフィシャルブログ)
2016.11.26「グレンミラーオーケストラ来日コンサートにゲスト出演したよ♡」
https://ameblo.jp/yukikoonishi/entry-12223091938.html

――アマチュア時代から積極的にアピールされていたわけですね。

ユッコ ええ。キャンディ・ダルファーさんのコンサートを観に行った際もめちゃくちゃ感動してCDのサイン会の列に並んだのですが、ちょうどサックスを持ってきていたから「自分もサックス奏者としてアピールしたほうがいいな」と思って、サックスを首に下げた状態で並んだんです(笑)。それで自分の番で「サイン下さい」となったところ、私のサックスに気を止めてくれて、「あなたもサックス奏者?ちょっと吹いてみてよ」と言われたので、ちょっとどころか(笑)、めっちゃ吹いたんですよ。そうしたら「Amazing!」と言ってくださって、「翌日のブルーノート東京のライブにゲストで来て貰いたいから出てよ」と、その場で出演が決まっちゃったこともありました(笑)。

▼2015年10月14日 ユッコ・ミラーtwitterアカウント
キャンディー・ダルファーさんとの2ショット
https://twitter.com/yuccomiller/status/654128121415798784?s=20

ちょうど、その頃から世界のトップにも教わりたいとう願望が強くなっていきました。私の大ファンのエリック・マリエルサルさんというグラミー賞を受賞されたほどの、本当に素晴らしい世界的なトップミュージシャンがいるのですが、その方にずっと習いたいと思っていました。それがある時、行きつけの楽器店のポスターでエリックさんが来日することを知ったんです。そのポスターにプロモーターの連絡先が書いてあったから「是非レッスンを受けたいんですけど、いいですか?」と連絡してみたら、断られまして(笑)。さらに今度は楽器店の店長さんにエリックさんと繋がりのあるプロデューサーさんを紹介してもらって、連絡してみたんですけど、それもやっぱりダメで。それで「もうこうなったら、直接本人のところにいくしかない!」と、突撃することに(笑)。

――いや、メンタル強いですね(笑)。

ユッコ コンサート会場が楽器店の上のホールだったので、楽器店を張っていたら、来るんじゃないかと思ってサックスコーナーをうろうろしていたら、なんと本当に来たんですよ! それで拙い英語で「Hello Lesson please?」みたいな感じで話しかけたら、「OK!」を快諾してくださって。その数日後、2時間くらい取って実際にレッスンしてくださったんです。それをきっかけに来日する度にレッスンを受けられるようになり、14年には六本木クラップスで行われた「師弟対決バトルライブ」で共演する機会をいただきました。

――実際に教えを受けてみていかがでしたか?

ユッコ やっぱりエリックさんから受けた影響はとても大きいですね。めちゃくちゃ勉強になりました。エリックさんからレッスンの際に言われたのは、上手くて器用なサックス奏者はたくさんいるけど、それだけじゃつまらない。特に日本人はそういう人が多いけど、君にはそうなって欲しくない、もっと個性を大事にしてくれと。それまでの私はずっと上手くならなくちゃと、思っていたのですが、むしろ、自分の個性を磨いて行くことこそが重要だと気付かされました。

▼2015年10月14日 ユッコ・ミラーtwitterアカウント
エリック・マリエンサルさんとの2ショット
https://twitter.com/yuccomiller/status/843097204461989888?s=20

●怖いものは何もないし、サックスはいつも私の味方です!

――そういえばデビュー前からテレビにも色々と出演されていたそうですね。

ユッコ それも突撃です(笑)。ジャズをやり始めて思ったのは、ジャズってジャズ好きの人にしか聴かれてなかったりするんですよ。私としてはそれがイヤで、もっと大勢の人に聴いてもらいたいなと思ったときに、「あ、テレビに出たらいいじゃないか!」って(笑)。ちょうど、そう思ったときに出演募集していたのが『SASUKE』って番組で……あ、分かります?

――え、体力を競う……あの?

ユッコ ええ。それです(笑)。『SASUKE』ならすごい視聴率だし、これだったら普段サックスを聴かない人にも、サックスの魅力を届けることができるんじゃないかと思って、応募したんです。

――それで実際に出演されたんですか!?

ユッコ まず一次は書類審査で、それを通過して、赤坂のTBSさんで行われた二次審査に参加しました。課題は腕立て伏せ100回と自己アピールで、腕立ては20回しかできなかったんですけど(笑)、本選への出場権を手に入れました! 当日はサックスを吹きまくってアピールして、サックスを置いて、いざ競技に挑んだところ……、二つ目のトラップで落ちましたけど(笑)。他にもテレビ東京さんの『大食い王決定戦』にサックス奏者代表で出たことがあるのですが、それも自分から応募して出演が決まりました。でも、そうやって音楽と全く関係のないメディアに露出したことで『スッキリ!!』で取り上げていただいたり、『アウト×デラックス』で「ジャズ界の盛り上げ方が間違っているサックス奏者」と特集を組んでいただいたりして(笑)。そうこうしている内に、キングレコードさんからお声がけいただき、メジャーデビューが決まりました。それが5年前になりますね。

――いや、ものすごい行動力ですが、その原動力はどこからくるのでしょうか?

ユッコ 私は本当にサックスが大好きで、こんなにも素晴らしい武器があるんだから、ずっと無敵だと思って今に至ります(笑)。怖いものは何もないし、サックスはいつも私の味方。なので、イヤになったり、挫折したことも一切ありません。

▼【特集】ユッコが語る!最新アルバム『カラフル・ドロップス』全解説!!
https://kingjazzcla.com/news/jazz/9930

 

●ジャズの素晴らしさを広めていきたい

――現在はYouTuberとしても活躍されていますね。

ユッコ 動画を通じて、サックスやジャズを知らない人にも興味を持ってもらいたいという気持ちが一番ですが、元々、YouTuberの動画を観るのが大好きで、自分でも何か面白い動画を撮ってみたいなと思っていたんです。ジョーロやホース、ニンジンとか身近なものを楽器に改造して吹いてみたり、お風呂に入ってサックスを吹いてみたらどうなるか実験してみたり、色々な動画をアップしています。全て思い付きでやっているんですけど、最近はやり尽くした感があって、「次はどうしようか?」って感じです(笑)。

――動画ではジャズに限らず、色々なジャンルの音楽にも挑戦されていますね。演奏はもちろんアレンジも含めて、どれも非常に聴き応えがあります。

ユッコ J-POPや懐メロ、アニソンとか、どのジャンルもどの曲も演奏する度に新しい発見があってとても刺激的です。「昔の曲はこういう作りになってるのか」とか「最近はこういうのが流行りなのか」とか色々と見えてくるんです。最近はラップも多くて、音程のないところをサックスで表現するとなると、どうなるかな?とか、楽しみながら取り組んでいます。今のところ一番再生回数が多いのが『名探偵コナン』のメインテーマで、1000万回以上、聴いてもらえました。最近やった中だと「うっせぇわ」は、あの唸る感じをサックスでどう表現したらいいのか、色々と工夫したこともあり、自分としてもお気に入りの1曲です。

▼【名探偵コナン メインテーマ】サックスで吹いてみた Detective Conan Main Theme 名偵探柯南主題曲【ユッコ・ミラー】

 

――ご自身で今後の目標などはありますか?

ユッコ 今、自分から出ている音楽、サックスの表現は、それまでに経験したことしか表せていないんですよね。今まで聴いてきた音楽や自分の目で見てきた風景とか、色々なものが積み重なって、自分の音楽を形作っていると思うんですけど、私がそうやって経験したものは、まだまだちっぽけなものでしかないんです。ですから、もっともっと色々な景色を見たいし、もっともっと色々な経験を積んでいきたいと思っています。ここ2年くらいはコロナ禍で活動が制限されてきたところもあるけど、状況が落ち着いたら是非また海外に行ければいいなって。アメリカだとNYはまた行きたいし、逆にまだ行ったことがないロスにも憧れがあります。それからヨーロッパもまた訪れたい土地です。様々な経験を通じて、自分自身を磨き、そして音楽にもフィードバックしていきたいですね。

――昨今、ジャズは高齢化で斜陽化が進んでいるとも言われていますが、今後のジャズ界についての展望をお聞かせください。

ユッコ 確かに今の若い人たちは、ジャズをあまり知らないと思うんですけど、実はジャズって街中でめっちゃ流れているんですよ。それこそ、ラーメン屋や焼き肉屋でも普通にBGMとして流れているので、きっと多くの人の耳に触れているはずなんです。ジャズって、その場を演出するお洒落な音楽でもあるし、とても素晴らしいものだけど、実はそれがジャズだと、気付かれていないんですね。私としては、皆さんの身近にあるジャズを認知してもらいたいし、好きになってもらいたい気持ちもあって、テレビに出演したり、YouTuberとして活動しているところがあります。これからも様々な機会を通じて、ジャズの魅力を広めていければと思っています。

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ユッコ・ミラー(Yucco Miller)プロフィール
Saxophonist / Composer / Arranger  三重県伊勢市出身。

2016年9月キングレコードよりメジャーデビューし、テレビや雑誌を賑わす実力派のサックス奏者。
3歳よりピアノを始め、高校で吹奏楽部に所属しアルトサックスを始める。
在学中よりパリ・ウィーン等、海外演奏旅行、数々のコンテストにてグランプリ等受賞。
河田健氏、川嶋哲郎氏、エリック・マリエンサル氏に師事。
キャンディー・ダルファー本人から演奏を気に入られ、キャンディー・ダルファー来日公演に異例のスペシャルゲストとして出演。
グレン・ミラー・オーケストラのジャパンツアーにスペシャルゲストとして出演を果たすなど国内外で活躍するトップミュージシャンと多数共演。
韓国やマレーシアなどの海外でのジャズフェスティバルにも出演するなど、世界的に高い評価を得ている。
2016年にリリースした1stアルバム「YUCCO MILLER」は、グラミー賞受賞アーティストのロニー・プラキシコがサウンドプロデュースを務め、ニューヨークにて録音。
2018年にリリースした2ndアルバム「SAXONIC」は、JAZZ JAPAN AWARD 2018 アルバム・オブ・ザ・イヤー(ニュースター部門賞)を受賞。
ピコ太郎のプロデューサーとしてもお馴染みのプロデューサー古坂大魔王とのコラボ曲も収録した。
2019年にリリースした3rdアルバム「Kind of Pink」は、グラミー賞を3度受賞したデビッド・マシューズがアレンジとピアノで参加。
地上波人気テレビ番組への出演、テレビCMミュージックの作曲・演奏、アパレルブランドのPVに主演モデルとしても出演するなど多方面で活躍している。
2018年からはYouTuberとしての活動も展開し、その後1年足らずにして、ユッコ・ミラー公式YouTubeチャンネルのチャンネル登録者は10万人を超え、総再生回数は1500万再生回数を突破。現在チャンネル登録者数は20万人超、総再生回数は3500万回目前。
自身のブログの一日の最高アクセス数が40万アクセスに達し、Ameba芸能人・有名人ブログの人気ランキングにて第1位を獲得、また、JazzPage人気投票サックス部門で第1位を獲得するなど、インストゥルメンタルアーティストとして類希な人気を集めている。

<ユッコ・ミラー>
【Official Web Site】https://www.yuccosax.com/
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