二ノ宮知子作「のだめカンタービレ」の指揮者、千秋真一
自ら結成したオーケストラと共にブラームスの交響曲第1番を録音した幻の作品「ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68」
9月27日(水)サブスクリプション&ダウンロード遂に解禁
千秋真一
二ノ宮知子作「のだめカンタービレ」連載中の2005年、主人公で指揮者の千秋真一が自ら結成したオーケストラと共にブラームスの交響曲第1番を録音したという設定の音源が、18年の時を経て9月27日(水)キングレコードから配信される。
千秋真一指揮 R☆Sオーケストラ『ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68』告知映像
当時、作者、編集者、音楽監修者と連携して打ち合わせを重ね、実際に、東京芸術劇場のコンサートホールを2日間借り切って録音された。当然、本物のオーケストラによって録音されたわけだが、録音するにあたって、オーケストラメンバー全員に漫画に登場するライジングスターオーケストラのメンバーになりきってもらうという設定にするため、指揮者、オーケストラの奏者へは、なりきりを約束する誓約書にサインしてもらうという念の入れようだった。
制作過程はこうだ。事前に漫画に出てくるこの楽曲に対する音楽的な表現を漫画の場面から抜き出し、入念に指揮者と検討を重ね、千秋真一が描くブラームス像を予測して演奏の方針を決める。録音当日は、事前の検討内容を基にして、オーボエの黒木くんはこう吹いただろう。ティンパニの真澄ちゃんはこう叩いただろうと想定して、各奏者へその再現を要求しながら録音を進める。漫画の場面から音楽を鳴らそうという画期的な企画であった。
発売前から大きな反響を呼んでいた本作品は2005年当時、CD売り上げ6万枚を超え、クラシックとしては異例の大ヒットとなった。そのため、謎のブラームスの交響曲第1番のCDが驚異の売れ方ではないかと、クラシックの本場ウィーンの放送局、オーストリア放送協会(ORF)から取材が入るほどであった。
そして遂に9月27日に、この伝説のCDに収められているブラームスの交響曲第1番全曲とドヴォルザークの交響曲第8番の第1楽章が配信される。このドヴォルザークは、劇中コンクールの課題曲で指揮者の聴音力を試すために、オーケストラがわざと間違えた演奏をして千秋がその間違えを指摘するというシーンのもので、“間違えバージョン”と“正しいバージョン”の2種類が配信される。さらに、今回の配信では、CDには入っていなかった漫画の中だけに登場した曲も追加される。劇中に登場する作曲家、海老原大作のピアノ曲「ロンド・トッカータ」。極めてレアな音源といえる。
20年以上の時を経ても色褪せない「のだめカンタービレ」の音楽の世界に浸ってみてはどうだろうか
■配信情報
千秋真一指揮 R☆Sオーケストラ
『ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68』
2023年9月27日(水)サブスクリプション&ダウンロード配信スタート
https://lnk.to/shinichi_chiakiPR
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
1. 第1楽章: ウン・ポーコ・ソステヌート-アレグロ
2. 第2楽章 アンダンテ・ソステヌート
3. 第3楽章 ウン・ポーコ・アレグレット・エ・グラチツィオーソ
4. 第4楽章 アダージョ-ピウ・アンダンテ-アレグロ・ノン・トロッポ、マ・コン・ブリオ-ピウ・アレグロ
ドヴォルザーク:交響曲 第8番 ト長調 作品88
5.第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
(プラティニ国際指揮者コンクール課題、間違い探しスコア版)
6. 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ(スプラフォン版)
千秋真一 指揮 R☆Sオーケストラ コンサートミストレス:三木清良
録音:2006年6月27、28日 東京芸術劇場 コンサートホール
7.海老原大作:ロンド・トッカータ (ピアノ曲)
録音:2005年6月12日 キング関口台スタジオ